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かもめや日記

北海道小樽市にある小さな宿「おたる北運河かもめや」のブログです
おたる北運河かもめやのホームページは http://kamomeya.main.jp
<< 晩秋の街角 | main | 雪が降ると、卵が割れる? >>
作ることは元気のもと
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     今日降るか、明日降るか、この季節になると、

    憂鬱な気持ちで身構えながら、雪を待つのだが、

    今年はなかなか寒さが極まらない。

    冬将軍が到来するわずかなスキをねらって、

    犬を連れ、運河を歩く。

     

    自分も人生の冬を間近にして、歩きながら思いを巡らせる。

    これから、何を道しるべにして生きればいいのか、

    近い目標は? 遠い目標は?

    そして、究極の目標は? 永遠のテーマは?…

    後半の疑問には、ある程度答えが出ているが、

    さしあたって、今週の目標がまだ出ていない。

     

    こんなことを考えていると、小学校のときの

    学級会議みたいなことを思い出した。

    「今週の目標をきめましょう。

    何がいいですか。意見がある人、手をあげて!」

    学級委員が、前に出て、こんなことをみんなに聞く。

     

    そうか、人は子供のころから、日々目的意識をもって

    生活することを訓練してきたんだな。

    しかし、大人になってからの長い時間、右往左往してきて、

    大きな道しるべを確かめることを忘れていた。

    今、来た道を振り返ってみると、「あれっ、本当は自分は

    どこへ行こうとしていたんだっけ…」

    そう思うと、急に不安になってくる。

     

    こんなことを考えながら短い時をやりすごしていたら

    アーティストの魔女子さんが、たくさんの作品を持って

    やってきた。

    すでに70代後半の彼女は、毎日休みなく

    フェルトでバッグやマフラーを作っている。

    今日は、洋服まで作ってきた。

    独特の色や形で、誰にも出せない彼女のカラーを見せてくれる。

    「毎日、忙しくて…。次は何を作ろうかと考えると、わくわくするわ」

    細身の体で、すべてのエネルギーをものづくりに使っている。

    彼女を見ていると、心がよどんだり、停滞していたりする暇はなさそうだ。

     

     その夜、オホーツク海の北のほうの枝幸から、

    もう何回も来てくれている年配の女性のお客さんが来た。

    今も仕事を持ちつつ、ちょっとの時間に編み物をしたり、

    どこにも売っていない洋服を作ったりしているようだ。

    いつも身に着けている手作りのアートなバッグや洋服を見て、

    「いいなぁ」と感心し、作ることの工夫や楽しさを

    教えてもらっていた。

     

    「最近、模様入りの手袋をいろいろ編んで、町の文化祭に出品したんです」

    といって、たくさんの作品をスマホの写真で見せてくれた。

    なんと、素晴らしい、アートの世界だ。

    そのデザイン性、模様の複雑さ、配色の美しさ、楽しさは、

    素人の趣味の域ではない。

    「うわっ、素敵!」

    小さな美術館に行ったような感動を受けた。

    彼女は「これ、よかったら差し上げます」と、

    私にも手袋をひとつくれた。

    その模様は、精緻をきわめ、また美しい北欧のデザインを思わせる。

    「これもよかったらどうぞ」と

    自身のバッグにつけていた七宝焼きのような犬のブローチをはずしてくれた。

    「あっ、マルコにそっくり!」

    と驚くと、「町の文化祭では、自分の作品とほかの人の作品を

    交換するんですよ。私の作品を、この犬のブローチと交換したんです。

    これ、マルコに似てると思って…」

    「え〜っ、うれしい!」と私は歓声を上げた。

    彼女は、犬好きで、マルコのこともかわいがってくれている。

     

    今日の幸せ。

    アートな作品を作ることを無上の楽しみとしている2人の作家に

    出会えたこと。

    アーティストには、今週の目標も、人生の目的も

    観念としては必要ないかもしれない。

    ただただ、日々、心の中で喚起された作品のイメージを形にすることに

    全力を注ぐのみである。

    その行為がいつも楽しいという。

    いかに技術上の困難が伴おうとも…

     

    いつも頭で、理屈でなんでも考えようとする自分の愚かさが、

    美しく楽しい芸術作品を前に、あっけなく吹き飛ばされた。

     

    魔女子さんのフェルト作品

    いただいた手袋とブローチ

    埠頭公園から海を臨む

    北海製缶側の橋の上から運河の向こうの町を見る。

    べニスのような趣がある

    | - | 11:12 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
    魔女子さん、久しぶりですね。手袋とブローチも素敵ですね。

    ま、目標なんて何も考えないで、来てくれるものを受け止めていればいいんじゃないですか、ね。
    | 隠居 | 2018/11/20 8:57 PM |

    「目標」には「達成すべき目標」と「道しるべたる目標」の二つがあるのではないでしょうか。若者のように努力する時間がたっぷりあればしっかりした目標を持つべきだし、それほど時間が残ってない人は今日を生きる道しるべがあればそれで良いでしょう。
    我がクラーク先生も「大志を抱け」と言ったのは未来のある(たっぷりと時間のある)少年にであって、老人にまでは酷すぎて言えなかったんでしょう。
    絵を描く事、文章を綴る事、物を作る事、語る事、奉仕する事、そして移ろいゆく小さな小さな季節の変化に思いを寄せる事、これすべて日日是好日ではないでしょうか。
    | koishi3 | 2018/11/21 2:03 PM |

    「今週の目標をきめましょう。何がいいですか。意見がある人、手をあげて!」
    「ハイ」
    「かもめやさん、どうぞ」
    「下校時には道草しないようにしましょう」
    「ハイ」
    「こいしさん、どうぞ」
    「みちみちこれこうじつ(道道是好日)」
    | 蛍 | 2018/11/21 11:07 PM |










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