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かもめや日記

北海道小樽市にある小さな宿「おたる北運河かもめや」のブログです
おたる北運河かもめやのホームページは http://kamomeya.main.jp
<< ニシン来たかと…♪ | main | 3月の吹雪 >>
いまどきの中国、若者事情
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    「雪まつり」に「雪あかりの路」と、雪を楽しむイベントが

    行われ、町はアジアの人であふれている。

    わが宿も、それなりに忙しく、10日ほど自宅に帰ることが

    できなかった。

    どの人も雪を喜んでいるので、こちらはあまりうれしくないのだが、

    ちょっと見てこようと、夜、手宮線の方まで行ってみた。

    雪のオブジェから漏れるろうそくの明かりが、それはそれは美しく、

    これなら外国から来ても、来たかいがあるだろうなと

    感心した。

    ろうを溶かして、本物の押し花を外側に飾った

    入れ物、ワックスボールというというものを売っている。

    その屋台をのぞいていると、「どこの国からきたんですか?」

    と、店の女の人が言う。

    「どこの国って…地元の者よ」といった。

    「あっすいません、地元ってどこですか?」と。

    「すぐ近くよ、ちょっと視察に来たのよ」とすごんでやったら、

    「あ〜っ、税務署かな、申告しないと…」と若い男の子がいった。

    …んとにもう、私のこと、なに人だと思ったのよ〜。

     

    しかし、店の人がそういうのも仕方ない。

    暗がりの中の人ごみに、中国語がとびかっているのだから。

     

    宿のほうにも、このところ、中国の若者が毎日のように

    泊まりに来る。

    うちに来るのは、ほとんどが日本に留学している大学生だ。

    だから、日本語ができるし、日本のマナーもだいたいわかっている。

    しかも、かなり優秀な人たちばかりなので、安心できる。

     

    この間も、夜遅くチェックインするお客さんを待っていたら、

    泊り客の中国人女子留学生が、スーパー銭湯の「湯の花」から帰ってきた。

    高島方面の銭湯へ行くのに、ひとりでスマホをたよりに

    バスに乗って行ったのだ。

    「あら、おかえりなさい、大丈夫?行けたの?」というと、

    「はい、行ってきました」という。

    そして、私が、10時ごろにくるというお客さんを待っていると

    いうと、「それは、たいへんですね、8時まで、とかに

    すればいいのに」という。

    まぁ、いいこといってくれるわね。

    でも、それができないのが、宿屋の悲しさ…

    そして、「そのお客さんが来るまで、ここにいてもいいですか?」

    と。「ん、まぁ、いいわよ」

    だけど、何を話すの。

     

    すると、彼女は、「私はちょっと、その、心が病気なんです」という。

    「え〜、そうなの、それでも、日本に一人で留学してるじゃない」と私。

    「人と話すのがこわくて、学校でもあまり友達と話さないんです」

    彼女は中国の大学を卒業して、岐阜の大学にいるそうだ。

    「ボーイフレンドはいないの?」と聞くと、

    「男子学生とは、1年間で15分ぐらいしか話していません」というので、

    笑ってしまった。

    「あなた、そんなこと言ってるけど、私とこんなに話してるじゃない」

    というと、彼女は、自分の身の上を話し始めた。

     

    「私は、小学校に入るまで、おばあちゃんに育てられた。

    小学校は両親と暮らしたけど、中学、高校は学校の寮で生活してた」

    「そうか、一人っ子なのに、親と一緒に生活してないのね」

    「お父さんは、ボールペンやノートを売る会社をやっていて、

    1か月に2回ぐらいしか帰ってこないし。お母さんは

    町で一番頭がよくて、会社で会計士の仕事をしていた。

    今は、麻雀ばっかりやって、すごく強いんだけど、

    負けると、そうねぇ、日本のお金で10万円くらい…そうすると

    私に当たってくるの。私は1人で部屋に閉じこもって

    じっとしてる」

    うん、まぁ、なかなか大変な家庭状況だ。

    「私は寂しい…。おばあちゃんはやさしかった」

    「あなた、なんにも病気じゃないでしょう、私にこうして

    話せるんだから」

    彼女は、私の方を見て「おばあちゃんみたいだから」という。

    うん、たしかに。

    そして、今は、日本のあちこちを一人で旅してるといった。

     

    「あなた、お金持ちなのね、そんなにどこへでも行けるんだから」

    というと、「はい、お金はあります。親がたくさん送ってくれるので。

    食事は作ったことがない。全部外食です。これでは、結婚しても

    普通の家庭が作れるのか、自信がない」そうよね。

    いや〜、金持ちの中国人の子供の孤独か。

    なんだか、今の急激な経済成長の途中にある中国のひずみが、

    子供の心に影を落としているような…

     

    そして、いまの大学をいまの出たら、

    中国でスィーツの店をやりたい、といった。

    「チーズケーキとか抹茶ケーキが中国では人気なんだけど、

    とっても高い。もっとみんなが普通に食べられるように」

    と、女の子らしいことを言った。そして、

    会社に勤めなければ、あまり人と話さなくてもいいから、と。

    そうかなぁ。

     

    翌朝、彼女は、昨日涙ぐんでいた子とは思えないほど、

    明るく元気に帰って行った。

    それにしても、彼女はけっこうたくましい。

    スマホを見て、ひとりでどこへでも行くんだから。

    大学では地理を勉強した、物理も好きだといった。

    頭いい、しっかりしてるじゃないの。

    こういう中国の若者が、うちの宿によく来る。

    次の話はまたあとで。

     

    雪あかりの路の会場。写真がへたなので、暗闇ばっかり写っている

     

     

     

    雪夜の町もまたきれいだ

    | - | 11:54 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
    若い中国人の学生さんが、女将さんを「(私の)おばあちゃんみたいだから」と言う。やさしかった自分のおばあちゃんに女将さんを重ねたのですね。
    うん、うれしいけど、ま、おばあちゃんであることを認めなくちゃならない。同い年の者として、ちょっと複雑。でも現実ですね。
    雪の時期も忙しいご様子、どうぞ健康に気を付けて。
    | Wako | 2018/02/16 8:41 PM |

    ワックスボールといえば「小樽 雪あかりの路」。
    ワックスボールのつくり方を見てみましょう。
    https://www.youtube.com/watch?v=5NDtDSI-VCE
    https://www.youtube.com/watch?v=8lFJWNaGlI8
    | 蛍 | 2018/02/16 11:01 PM |

    【適応障害って?】
    かもめやには、いろんな人が泊まりに来ますね。
    彼女は軽い適応障害の一種なんだろうけど、本人の自覚と適応してあげる人がそばにいれば、そうはもう障害なんかではないという見本みたいなお話しでした。
    中国人は一人っ子政策の影響で親が子にかまいすぎるすぎるのが問題とされているのに彼女の場合は稀なケースですよね。親が中途半端に金持ちで自分の成り上がりの方が大事なのかな。
    40歳超えてのお一人様男女が増えている日本も適応障害だらけだけど、女将のような、聞いてあげる、同情ではなくこういう見方もあるよと教えてあげる、時には背中を押しケツを蹴飛ばしてやる人を求めているのではないかな。
    「雪あかりの路」の写真いいですね。地味過ぎる感じだけどほっこりしますね。
    | koishi3 | 2018/02/18 3:12 PM |










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