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かもめや日記

北海道小樽市にある小さな宿「おたる北運河かもめや」のブログです
おたる北運河かもめやのホームページは http://kamomeya.main.jp
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ヤドカリの引っ越し
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    北海道は花の季節を迎えた。

    ライラック、スズラン、アカシア、そしてぼたん。

    坂の上のわが家の荒れ放題の庭にも、マーガレットや山吹が勝手に咲いている。

    雪に閉ざされた過酷な季節の重みが、まだ心の中で

    切り替わらないうちに、自然は足早に夏に向かっている。

     

     冬から春に向けて、ヤドカリが殻を脱ぎ捨て、別の殻に入るような感じで

    自宅の引っ越しをしていたが、

    なんとか移住を終えることができた。

    といっても、年を取ってからの住まいの移動は命がけである。

    私の場合は、自分が育った町なかの実家に戻ることなのだが、

    すでに両親は他界していて、家はカラ。

    そこへ移り住むだけなのに、ヤドカリは、道の途中で

    干からびて死んでしまいそうなのだ。

     

    長年ため込んだ生活用品を相当処分したが、

    それでもなんだか荷物が多い。

    思い出の中の子供時代の家は、今より狭く、

    家族も多かった。

    それなのに、そんなに荷物はなかったような気がする。

    自分は今もぜいたく品は持っていないと思うのだが、

    それにしても物が多い。

    これは、個人的な問題だけではなく、

    戦後の日本の経済成長がどれほどのものだったかを

    物語ってもいるのではないかと思える。

    引っ越し先のダンボールの山の中で、

    今度こそ、何も持たない生活をしようと心に誓った。

    それにしても、この荷物の山は、いつ平坦になるのか…

     

     個人的な引っ越しのさなかにも、遠方からいろいろなお客さんが

    かもめやを訪れた。

    この間は、去年男性2人で、車にカヤックを積んで

    知床のほうを旅してきた年配男性のお客さんが、今年は1人、

    昨年の忘れ物を取りに、奥さんと立ち寄った。


    前年のブログに、「命知らずのお客」なんていうタイトルをつけて、

    2人の男性の危険な旅のことを書いた。

    知床のほうでクマに遭ったり、湖で、強風のなかカヤックに乗り、

    命からがら岸にたどりついた、とかいう話だ。

    この人は、ニューヨークの貿易センタービルのテロのときは、

    そこへいくはずだったのに、

    飛行機が遅れて、事故を免れたとか。

    「僕は運がいいんですよ」とその男性は昨年も言った。

    同じセリフを、今年も口にした。

    私は、同行の奥さんに、「こんなに危ないことをするご主人、

    心配じゃないですか?」と聞いた。

    すると、奥さんは「う〜ん、そんなに…。本人が楽しければ

    いいんじゃないかと…」

    そうか、この年代になると、夫婦もクールになるのかな、

    と私は密かに思う。

    彼女は続けて「私は、予知能力があるのかな、なんとなく

    この人は大丈夫と思えるんですよ」といった。

     

    「うちは静岡で、近くにお茶畑があるんですが、ある晩、

    飲み会があって、主人の帰りが遅くなったとき、私は寝ていたんです。

    すると、夢の中で、主人が近道をして、お茶畑の中を走っているんですが、

    誰かに追いかけられて、傷だらけになって逃げているんです。

    しばらくすると、主人が帰ってきた。そうすると、今、夢で見た

    その通りのことが起こっていたんですって。ほんとうに、傷だらけ

    になって、お茶畑の中を逃げてきたんですよ」

    ……… 淡々と語る奥さん。

    「きゃぁ〜〜」

    あくまでも奥さんは落ち着いている。

    「そうか、わかった!、ご主人の運は、奥さんがすべて

    握っているんだ。奥さんの運が、すべてご主人にいっているんですよ」

    と私は断定した。

    ご主人は、私の言葉に納得したような顔をした。

    「奥さんがいる限り、ご主人は大丈夫!」

    と、私は力強く言った。

     

    「また来ます」

    ご主人は、奥さんと手をつないで、店の前の道路を渡り、

    駐車場の車のほうへ駆けて行った。

     

    手宮線跡の駅があったところ、旧日本郵船の裏側の石塀の中に

    桐の花が咲いていた

    手宮駅の線路沿いの古い建物。早朝や夕方の散歩は格別だ

    線路脇に、天に向かって突き出た岩がある。この岩は昔、

    友達の家の庭の端にあった

    かもめやの裏の石造りの建物に、今年も新緑のツタが這い出した

     

     

     

     

     

     

    | - | 07:05 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
    年を取ってからの引っ越しやら、片付けは決死の覚悟がないとできないのに、よくぞやり果せましたね。疲れすぎないように!

    夫婦で運が共有できるかな??どちらかの強い運が相手を助けてくれるなんて、段々老い先が不安になって来る身としては頼もしくも思われました。
    それにしても新緑が美しい景色ですこと。
    | takarinn | 2017/05/31 12:42 PM |

    【旦那の運はカミさんが全て握っている!】

    久しぶりにライラックが咲いてるところを見ました。確か札幌のライラック祭りは5月の末でしたね。GWのお花見のあと一気に草花が自己主張して咲き誇り夏の観光シーズンに入っていきます。花が無くても葉っぱ同士で緑の競争をしているようです。
    引越しの話が出てきますが、私は就職前に北海道で転居を伴う引越しを11回、就職してから転勤で15回引越しをしてます。以前は自分で手順を標準化していて、次の転勤まで開けない段ボール箱など工夫してましたけど、この年になると流石にもうできませんね。
    「ご主人の運は、奥さんがすべて握ってるんだ。奥さんの運が、ご主人に行ってるんですよ…」多少の脚色があるかもしれないけど、名言ですねえ。人生の機微、夫婦の本質に迫ってますねえ。
    | koishi3 | 2017/05/31 9:30 PM |

    気力・体力がまだ残っているうちに、思い切った断捨離をした方がよいですよ。そして一年後、その年に一度も使わなかったもの、袖を通さなかった洋服なども処分してゆく。そうやって行くと、少しずつ住みやすい家になっていくと思います。
    | 隠居 | 2017/06/01 9:44 AM |

    花の季節に、小樽が生んだ名歌手・岡本敦郎の「白い花の咲く頃」、「リラの花の咲く頃」をyoutubeで聴いてみませんか。
    白い花はハリエンジュ(ニセアカシア)を思い浮かべて。
    | 蛍 | 2017/06/02 7:17 AM |

    久々のブログ更新に、勉強魔、引っ越し魔、整理魔、物知り魔の
    諸氏からのコメント、うれしく拝見しました。
    日常生活の悩みや行動について、ひとさまのご意見を聞くことって
    いいですね。人は自分の穴にこもってしまい、自分が見えなくなってしまうもの。そうじゃない、ああだよ、こうだよ、と言ってくれる人がいるのは、ありがたいことで、急に視界が開ける
    ものですね。
    | 店主 | 2017/06/03 5:46 AM |

    4人の「魔」、店主さんのネーミングが極まってますね。
    ピッタリで笑ってしまいました。
    何はともあれ、引っ越しが終了したのは良かったです、お疲れ様でした。
    物の処分はほんとうに難しいものだと思います。
    しばし休息してください。
    | Wako | 2017/06/04 8:05 PM |










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