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かもめや日記

北海道小樽市にある小さな宿「おたる北運河かもめや」のブログです
おたる北運河かもめやのホームページは http://kamomeya.main.jp
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1匹の手伝い犬
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    11月も終わりに近くなり、本格的な雪の季節ももうすぐだ。

    この時期の北海道は、例年、観光客が一番少なくなる。

    わが宿も、静かな日が多いが、

    今年は、この場所に、ビーグル犬のマルコが加わったことで、

    雰囲気が変わった。

     

    店にいると、宿泊客ではない人も訪れ、一気に犬に気持ちを

    もっていかれるようだ。

     

    先日は、宿泊客が、知り合いのロックミュージシャンを

    店に連れてきた。

    マルコが喜んで飛びついたので、やめさせようと押さえると、

    ミュージシャンは、ぴょんぴょん飛び跳ねる犬を平気で抱いて

    「咬んで咬んで!もっと咬んでもいいよ」

    というのである。

    「うちでも犬を2匹飼ってるんだ」と。

    彼は昨夜、近くのライブハウス、ゴールドストーンで

    ロックのライブをやった人だ。

    うちに泊まった男性客は、彼のファンで、追っかけなんだそうだ。

    あとで、ファンの男性が、そのミュージシャンのCDを

    「聴いてください」と、私たちにくれた。

    タイトルは「吠え桜」。

    ギターの演奏もなかなかにうまい。

    地元で20年も演奏活動を続けている人だそうで、

    彼の音楽も、今では少なくなった道産子魂にあふれ、男っぽい。

    このエネルギッシュな人が、マルコに「もっと咬んで!」

    というからおかしい。

    それを見て、新米の飼い主は、「そうか、こんな子犬にびくびくすることはないんだ」

    と妙に安心した。

     

    またある日は、いつも超満員の人気居酒屋の板前さんが顔を見せる。

    彼は、たまの休みの日に、疲れて死にそうな様子でやってくる。

    ただただビールを飲んで、座っているだけなのだが、

    マルコが大喜びで近づくと、犬が動けないくらい

    ぎゅーっと抱いて、「おれはほんとは動物の方が好きなのさ。

    板前じゃなかったら、牧場で動物の世話をしているかもなぁ」といった。

    この人は、もう体をこわす寸前、というところまできている。

     

    別の日は、知り合いの年輩の歯医者さんが店をのぞく。

    がんをわずらっているが、絶対に手術はしたくないといって、

    気丈に仕事を続けている。

    手術以外のあらゆる療法をさがして研究し、命がけの実験をしている

    といっていい。

    この人も犬が大好きで、「マルコまだ起きてる?」

    といって、夜、通りがかりに立ち寄っては、

    暴れる犬を、上手につかまえて、ぎゅーっと抱いて、

    「どうだ、まいったか! 1本勝負」なんていっている。

    マルコも、力をふりしぼって、むちゃくちゃ遊んでいる。

     

    いろいろな人とめいっぱい遊んだマルコは、

    その後、さすがに疲れたのか、床に四つ足を投げ出して

    グーグーいびきをかいて寝ている。

     

    こうやってみていると、ずいぶん疲れた人、がんばっている人が来ているんだなぁ。

    こんな人たちが、犬と本気で遊んでいく。

     

    「すべて疲れた人、重荷を負っている人は私の下へ来なさい。

    わたしがあなたがたを休ませてあげます」

    これは、有名な聖書の言葉だが、かもめやを始めたとき、

    これから、この聖句をもとに、仕事をしようと思ったのだ。

    トイレにこの言葉のカードを置いておいたら、

    疲れた人が次々にやってきた。

    息子が、「これを張っておくと、疲れた人ばっかり来るよ。

    違うのに変えたら?」という。

    ちょっとおかしかったが、

    今は「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。

    すべてのことに感謝しなさい。」という聖句にした。

     

    宿を始めてから、いつのまにか10年目になった。

    宿主も年を取り、疲れも出る。

    ネコの手も借りたいときに、犬が与えられ、

    疲れた人や、重荷を負っている人の相手をしてくれる。

    「そうか、あんまり自分だけでがんばらなくてもいいんだな。

    神様がよこしてくれた手伝いの犬に、少し頼ってみようか…」

    ふと、そんな思いがわいてくる。

     

    接客の仕事に疲れて、ひと眠り

    いつもの散歩コース、教会堂の入り口。左はマリア像

    よく見ると、階段のところに犬がいる

     

     

     

     

     

     

     

    | - | 07:25 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
    接客にすっかり疲れて寝るマルコ。
    犬は飼い主に似るんですね。
    マルコ、これからもご主人様のお手伝い、よろしくね。
    | Wako | 2016/11/30 7:22 PM |










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