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かもめや日記

北海道小樽市にある小さな宿「おたる北運河かもめや」のブログです
おたる北運河かもめやのホームページは http://kamomeya.main.jp
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雪の日の足跡
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     昨日雪が降ったと思ったら、今日は晴れて、アスファルトの道路が
    顔を出す。1日のうちで、気温差が大きく、
    体温調節ができなくなったせいか、
    急激な頭痛と腹痛に襲われた。
    急ぎ病院へ駆け込み、MRIで頭の検査をし、頭痛の原因を調べてもらったが、
    特に異常はないという。
    10年ほど前にも頭痛のため、MRIで頭の中を撮影した。
    そのときのデータがあり、医師がそれと今と比べたが
    「何もかわっていませんよ」と言う。
    「これから5年ほど、この検査は必要ありません」と。 
    ん、まぁ、物忘れすることは、MRIには出てこないんだ…。
    しかし、やれやれ、ほっとした。

    北海道の冬から春にかけての季節の変化は、
    本州の人にはわからない、激しいものがあり、
    老年の身にはこたえる。

     自宅の周りには、まだまだ雪山があり、家はすっぽり雪に包まれている。
    この冬の間、坂になっている自宅前の行き止まりの道、ここに積まれた雪山に、毎朝
    動物の足跡がについていた。「何かがこの山を越えたんだ!」
    そして、玄関前の雪の上にも、時々、動物がグルグル回った足跡がついている。

    朝外に出てみると、またしても10僂寮兩磧
    そして吹雪だ。
    ああ、早く雪かきしなければ、と思い、
    ふと見ると、「あっ、また来てる!」
    雪山を登る動物の小さな足跡が、長く長く続いている。
    息子に知らせると、「ねこだろう」という。
    「それにしても、何でこんな雪山を越えて、いったいどこへ
    行くんだろう」と不思議だった。

    ある日、とうとうその姿を見た。
    白と黒のねこで、しっぽがない野良ねこのようだった。
    北国では、ゴキブリと野良ねこは、寒くて生き延びられないのだが、
    「このねこは、どこに住んでいるのかな」と息子と話していた。
    「何のために、うちの前の雪山を登るんだろう。
    この先には家もないのに。私たちに足跡を見せるため?」

    そして、ふと思い出した。
    数年前の初夏のこと。
    家の前の小さな排水溝のふたが外れて、水も流れていない溝の中から、
    息子が、ふにゃふにゃの子猫を拾ってきた。
    白と黒で、今にも死にそうなのだ。
    「きゃー、そんなもの拾ってきて、どうするの。
    うちでは飼えないよ〜」と私。
    「だってかわいそうだろう」と息子。
    床に置いてみると、後ろ足にけがをしているのか、
    子猫はただはいつくばって、どうやっても歩けないのだった。

    そういえば、最近、野良ねこの親が、子猫を数匹つれて
    家の前を歩いていた。
    拾ったねこは、あの子供たちの中の1匹で、弱ってほかの兄弟に
    ついていけなくなったんだろう。
    息子は、「獣医に連れていく」といって、
    止めるのも聞かず、そのねこを連れて行った。

    しばらくして、彼は手ぶらで帰ってきた。
    「獣医さんが、しばらくあずかるから、置いていきなさいって。
    なんか、腰の骨がどうにかなっているらしくて、
    一生歩けないらしいよ」
    お金は払ってきたという。
    数日後、獣医さんのところに行ってみると、子ねこは少し元気になっていたそうだ。
    相変わらず歩けない。
    「あのねこ、獣医さんに勤めている女の人が、自分の家で飼うから、
    っていっていたよ。よかったぁ」という。
    いや、何ともラッキー、信じられない話だ。

    またしばらくして、彼が獣医さんのところへ行ってみたら、
    ねこを飼ってくれた女性が、自宅にいるあのねこの写真を
    見せてくれたそう。
    「名前をふーちゃんってつけたの。ほかにも何匹か
    ねこを飼っているんだけど、あのねこがいちばんかわいくて
    利口なの。おばあちゃんがすごくかわいがってるわ」と彼女。
    「相変わらず歩けないんだけど、写真みたら、
    すごくかわいくて、幸せそうだったよ」と息子。
    「今度うちにふーちゃんを見に来てって、その人がいってたよ」

    そんなことがあった。
    この話の教訓は、もう死ぬかもしれない、一番かわいそうなねこが、
    ほかの兄弟よりも幸せになっているということ。
    元気だったほかの兄弟は、今生きているかどうかわからない。
    あの冬を、生き抜けたかどうか。
    人生はわからない。いや、ニャン生はわからない。
    どんなきっかけで、どいつがどこでどう幸せになるかは…。

     さて、うちの前の雪山を毎朝登っていくねこは、
    あのときのほかの兄弟かもしれない。
    「弟を助けてくれてありがとう」といって、
    昨年、体調が悪かった息子を励ましに来てくれたのかもしれない。
    ほんとうに、小さなねこが、大雪にも
    めげずに、毎朝足跡を残してくれたのは、
    私たちにとって、大きななぐさめと励ましになった。

    人も、今苦しいことがあっても、いつどんなことがあって
    幸せになれるかわからない。
    だから、何があっても希望を持つこと、そして人を励ましていくことだ。

    妙な結論になってしまったが、こんなことでいいかな。

    | - | 16:14 | comments(7) | trackbacks(0) | - | - |
    ニャン生も万事塞翁が猫ですなぁ
    | 鳩さぶれ | 2016/03/12 11:12 PM |

    生あるもの、何かの因果を生きているんですね。猫は苦手な生き物なんですけど、何とも含蓄の深いエピソードでした。
    | takarinn | 2016/03/16 1:38 PM |

    「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」という映画を観た。
    子供はおらず、あまり裕福とも言えない老夫婦の愛犬が病気になった。
    CTスキャンに1000ドル。
    椎間板ヘルニアとわかり、その手術代が1万ドル。
    女将も猫も小樽でよかったですね。
    | 蛍 | 2016/03/16 10:11 PM |

    「あのとき助かったねこは、いまどうしているかなぁ」という話になった。「あんなに大事にされているんだから、今も元気でしょ」と私。そして、今朝はじめて、「あのとき獣医さんに
    1万円置いて来たら、獣医さんが、もうこれ以上はお金はいらないよ、と言ったんだ」と息子。「え〜っ、知らなかった。そんなに払ったの?」と私。今の今まで、お金の金額は知らなかった。「それなら、半分私にくれればいいのに…」と私。
    すると、居間のガラス戸の外の雪の上に、冬の間雪山を登っていたらしいあの白黒ねこがいて、真正面を向いてこちらに近づいてきた。またしても、助けてもらった兄弟のお礼を言いにきたのだろうか。それとも、「勝手にオレの話を載せるな。オレにもニャン権がある」とでも言っているのだろうか。
    | 店主 | 2016/03/17 3:04 PM |

    友人から内村鑑三(忌日3月28日、70歳)の詩を教えてもらいました。

    「春は来たりつつある」 (内村鑑三)
    雪は降りつつある
    しかし春は来たりつつある
    寒さは強くある
    しかし春は来たりつつある

    春は来たりつつある
    春は来たりつつある

    雪の降るにもかかわらず
    寒さの強きにもかかわらず
    春は来たりつつある

    慰めよ、苦しめる友よ
    なんじの患難(ナヤミ)多きにもかかわらず
    なんじの苦痛(イタミ)強きにもかかわらず
    春はなんじにもまた来たりつつある

    「寒中の木の芽」 (内村鑑三)
    春の枝に花あり
    夏の枝に葉あり
    秋の枝に果あり
    冬の枝に慰あり

    花散りて後に
    葉落ちて後に
    果失せて後に
    芽は枝に顕はる

    嗚呼 憂に沈むものよ
    嗚呼 不幸をかこつものよ
    嗚呼 冀望の失せしものよ
    春陽の期近し

    春の枝に花あり
    夏の枝に葉あり
    秋の枝に果あり
    冬の枝に慰あり
    | 蛍 | 2016/03/29 10:01 PM |

    「冀」という字を勉強しました。
    北の下に異と書く。
    音読みは「キ」。つまり「きぼう」のこと。
    意味は、ねがう、こいねがう。
    この年になっても、知らない字はまだまだたくさんある。
    読みは類推は出来ても、確かめずにはいられなかった。
    | Wako | 2016/03/30 12:11 PM |

    女将さんの感性が好きで
    blogが更新されるのを楽しみにしています。
    猫の挿し絵、表情がとてもいいなぁ…
    この動物画を眺めるのも楽しみ♪
    いつか、かもめ屋さんにお邪魔してみたいなと
    秘かに思いながら
    こちらを眺めております
    ささやかに応援してますよ
    | ふきのとう♪ | 2016/03/31 8:59 AM |










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