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かもめや日記

北海道小樽市にある小さな宿「おたる北運河かもめや」のブログです
おたる北運河かもめやのホームページは http://kamomeya.main.jp
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五感が開かれる旅
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     あけましておめでとうございます。

    年が明けて10日も過ぎてから新年のご挨拶では、

    ちと遅すぎる。

    いやいや、何事もゆっくり、時代遅れを自慢にさえしている

    かもめやのこと、こんなテンポでちょうどいいかもしれないと

    思っている。

     今年は年末年始、いつもより雪が少なくて、小樽の住人は

    とても助かっているが、本州から来た旅人には物足りないかもしれない。
     

    先日、三越、伊勢丹の新聞広告のコピーに、こんなのがあった。

    日本を代表するアートディレクターだという北川フラムという人が

    書いたものだ。

    「便利にしない。だからこそ五感が開かれ、旅がはじまる」

    こんなキャッチコピーが目にとまった。

    過疎高齢化の村で現代美術展をやったら、たくさんの人が来たという。

    そして、彼はこう語った。

    「都会から来たお客さんの記憶に残るのは、歩いた時の汗や土の弾力、

    草いきれの匂いをふくめて、苦労しながらも五感が開放された経験。

    行って来たぞ、という感動です。そこには『便利にしない』という

    ひとつのテーマがあります。

    便利にしないかからこそ旅が始まる。

    人との関わりが生まれ、五感が開かれ、学びの場となる。

              ……

    みんな第二の故郷を探しているのではないでしょうか。

              ……

    たとえば、≪息子にも教えていないような山菜を取る
    良い場所を知っている≫とか、
    そういう借り物でない地元の良さでお客さんに対応するのが、

    一番のもてなしなのだと思います」

    こんな内容だったが、「便利にしないから、五感が開かれる」

    という考え方には、大いに共感する。

    なぜなら、かもめやのコンセプトそのものだからだ。

    ちょっぴり不便な昭和の民家で、自分の感覚を取り戻してほしい。

    私は旅人にそう願っている。
     

    さて、お正月に年賀状をいただいたが、

    数年前にたくさんの病気を抱えて、もう生きられない、と言っていた

    千葉の年配の男性からのはがきに、「元気ですか、無理しないで、細く長く

    やってほしい」と書いてあった。

    3年ほど前に来たときは、帰ったら、何回目かのがんの手術をするのだが、

    その前に医者に1週間の猶予をもらって、わが宿に来たというのだ。

    「医者に、そんなとこへ行っているばあいじゃないですよ、といわれたんだけど、

    これが最後かもしれないから」と。

    そのあと、音沙汰がなかったので、どうなったんだろうと

    心配していた。そうしたら、乱れた文字で、それでも

    書いてくれた。
     

     また、昨日は、大阪の40代の教師をしている女性から、突然の手紙が。

    この人も、何回かがんが再発して、休職するたびに、わが宿に来てくれた。

    最後に来たのが、おととしだったと思う。

    たまたま彼女が1人だったので、朝、ゆっくり話した。

    帰って数日後、手紙が来て、「明日手術をします。おなかを開けてみたら

    今度こそはどうなるかわからない。でも、かもめやさんに行ってよかった」

    と書いてあった。

    そのあと、私もすぐに手紙を出したが、もう返事は来なかった。

    申し訳ないが、最悪の想像もした。

    不思議なことに、その彼女のことをふと思い出していたら、

    なんと、ご本人から手紙が来たのだ。

     手術のあと、またがんが肺に転移したが、抗がん剤の治療を受けながら、

    仕事も何とか続けているとのこと。

    「迷える旅人の休む場所として、なんとかかもめやを続けていって

    ください」と書いてある。
     

     生きるって、切ないなぁ。

    しみじみ思う。人はみんな危ういところで自分なりに
    バランスを保って生きている。

    そして、かもめやの役割がことのほか重いものであることを

    知らされた。

    私たち親子に、そんな役割が担えるだろうか。

    ああ、でも「神様の力は、弱さの中に完全に働く」という

    聖書のことばがあるからなぁ。だから、力ない私たちに、神様は

    たくさんの力を貸してくださり、必要なことに用いてくださるのだろう。

    今年も他力本願で、ゆっくり歩くことにしよう。




    運河風景

    | - | 16:00 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
    本年もどうぞよろしくお願いします。
    今年こそ、かもめや泊を実現したいです!
    旅に出て五感を呼び覚ますために!
    | Wako | 2016/01/11 11:45 AM |

    明けましておめでとうございます。
    年賀状ありがとうございました。

    私も、〈かもめや時間〉に助けてもらったひとりですね。
    あれから、もう5年ほど経ちます。
    それで、やっとこんな心境になることができました。

    〈気楽〉とは遠い山ではありません。
    心の中を均すことです。

    2月にお会いするのが楽しみです。
    何よりも、敦さんと会えるのが嬉しいですねぇ〜。
    | John 1940 | 2016/01/12 4:16 PM |

    官製の賀状ではない、ブログの賀状。
    〈かもめや時間〉を待っている旅人の為に、新しい年を無理なく過ごしてください。
    久し振りに私もその余慶にあずかりたいです。
    | takarinn | 2016/01/13 10:10 AM |










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