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かもめや日記

北海道小樽市にある小さな宿「おたる北運河かもめや」のブログです
おたる北運河かもめやのホームページは http://kamomeya.main.jp
雪が降ると、卵が割れる?
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     今年の冬の初めは例年よりあたたかで、ほとんど雪が降らなかった。

    本州の秋のようなのどかな日を何日か過ごしていたが、

    とうとうやってきた、今朝のドカ雪。

    午後までずっと降り積もり、20センチ以上にはなった。

    あちこちで、にわかに雪かきが始まったが、

    吹き付ける風がきびしくて、町の人々は大変な思いをしている。

    かもめやも、息子が向かいの広い駐車場の除雪を

    機械でやっていたが、今年もこの無為な仕事を3〜4か月

    続けなければならないと思うと、彼ならずとも気持ちがめげる。

     

    地震に台風、そして雪。

    どんなに文明が進んでも、自然との闘いは常にあるなぁと

    思わせられる。

     

    この間も雪が降った時、近くのスーパーへ買い物に行った。

    10センチに満たない積雪だったが、雪の下の地面が凍っていた。

    買い物袋を下げて帰る途中、車がたくさん通る道路沿いの歩道で

    つるりとすべって、あおむけに転んだ。

    頭をゴ〜ンと打って、しばらく起き上がれない。

    「う〜ん、いててて!」 これは、日産会長のたたりかな。

    すると、次々と流れてくる車のうちの1台が、スピードをゆるめて近づいてきて

    窓から男の人が顔を出し「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。

    「はぁ、大丈夫です」と答えて、やおら起き上がった。

    こんなときの親切は、身に染みるものだ。

    買い物袋の中身が少し散らばった。

    ま、この季節にはよくあることだが、

    こういう時に、手首の骨を折ったり、腰を痛めたり、

    頭を打ったりして、けがをする人がたくさんいる。

     

    店に帰ってみると、買い物袋の中の卵が、1パックのうち、

    6個が割れて、袋の中に流れていた。

    幸い頭蓋骨にひびが入ってはいないようだったが、

    袋の中の携帯電話が卵まみれになった。

    このとききれいに拭いたつもりだったが、翌日携帯にかかってきた

    電話の声が小さくて聞こえない。

    「ああ、きっと、卵のせいだ」と思い、電話ショップにいって、

    「声が聴きにくくなったんですけど、玉子のせい?…」といっているうちに、

    ショップの若い女性が、「あら、これマナーモードになっていますよ」

    といって、すぐさま解消してくれた。

    こういうおばさんにも、ばかにしたそぶりを見せないのが、

    店員教育の大切な部分だろう。

     

    そして、このたびのソフトバンクの事故。

    あの日、ちょうどtakarinn さんと携帯で話しているとき、

    急に通話ができなくなった。

    私は、まだ携帯内に卵が残っているんだ、と思った。

    「きっとそうに違いない」

    で、家電で話すことにした。

    そうしたら、なんと、ソフトバンク側の問題だったのだ。

     

    「雪が降ると、道が滑って、卵が割れ、携帯が通じなくなる…」

    なんてことが、あるような、ないような。

    おあとがよろしいようで。

     

    運河周辺の倉庫街は吹雪だった

    この道を犬を連れて歩くのはきびしい

     

    都通りアーケードに続く梁川通り

    2,3日前はおだやかな日和だった

     

     

    | - | 16:17 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
    作ることは元気のもと
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       今日降るか、明日降るか、この季節になると、

      憂鬱な気持ちで身構えながら、雪を待つのだが、

      今年はなかなか寒さが極まらない。

      冬将軍が到来するわずかなスキをねらって、

      犬を連れ、運河を歩く。

       

      自分も人生の冬を間近にして、歩きながら思いを巡らせる。

      これから、何を道しるべにして生きればいいのか、

      近い目標は? 遠い目標は?

      そして、究極の目標は? 永遠のテーマは?…

      後半の疑問には、ある程度答えが出ているが、

      さしあたって、今週の目標がまだ出ていない。

       

      こんなことを考えていると、小学校のときの

      学級会議みたいなことを思い出した。

      「今週の目標をきめましょう。

      何がいいですか。意見がある人、手をあげて!」

      学級委員が、前に出て、こんなことをみんなに聞く。

       

      そうか、人は子供のころから、日々目的意識をもって

      生活することを訓練してきたんだな。

      しかし、大人になってからの長い時間、右往左往してきて、

      大きな道しるべを確かめることを忘れていた。

      今、来た道を振り返ってみると、「あれっ、本当は自分は

      どこへ行こうとしていたんだっけ…」

      そう思うと、急に不安になってくる。

       

      こんなことを考えながら短い時をやりすごしていたら

      アーティストの魔女子さんが、たくさんの作品を持って

      やってきた。

      すでに70代後半の彼女は、毎日休みなく

      フェルトでバッグやマフラーを作っている。

      今日は、洋服まで作ってきた。

      独特の色や形で、誰にも出せない彼女のカラーを見せてくれる。

      「毎日、忙しくて…。次は何を作ろうかと考えると、わくわくするわ」

      細身の体で、すべてのエネルギーをものづくりに使っている。

      彼女を見ていると、心がよどんだり、停滞していたりする暇はなさそうだ。

       

       その夜、オホーツク海の北のほうの枝幸から、

      もう何回も来てくれている年配の女性のお客さんが来た。

      今も仕事を持ちつつ、ちょっとの時間に編み物をしたり、

      どこにも売っていない洋服を作ったりしているようだ。

      いつも身に着けている手作りのアートなバッグや洋服を見て、

      「いいなぁ」と感心し、作ることの工夫や楽しさを

      教えてもらっていた。

       

      「最近、模様入りの手袋をいろいろ編んで、町の文化祭に出品したんです」

      といって、たくさんの作品をスマホの写真で見せてくれた。

      なんと、素晴らしい、アートの世界だ。

      そのデザイン性、模様の複雑さ、配色の美しさ、楽しさは、

      素人の趣味の域ではない。

      「うわっ、素敵!」

      小さな美術館に行ったような感動を受けた。

      彼女は「これ、よかったら差し上げます」と、

      私にも手袋をひとつくれた。

      その模様は、精緻をきわめ、また美しい北欧のデザインを思わせる。

      「これもよかったらどうぞ」と

      自身のバッグにつけていた七宝焼きのような犬のブローチをはずしてくれた。

      「あっ、マルコにそっくり!」

      と驚くと、「町の文化祭では、自分の作品とほかの人の作品を

      交換するんですよ。私の作品を、この犬のブローチと交換したんです。

      これ、マルコに似てると思って…」

      「え〜っ、うれしい!」と私は歓声を上げた。

      彼女は、犬好きで、マルコのこともかわいがってくれている。

       

      今日の幸せ。

      アートな作品を作ることを無上の楽しみとしている2人の作家に

      出会えたこと。

      アーティストには、今週の目標も、人生の目的も

      観念としては必要ないかもしれない。

      ただただ、日々、心の中で喚起された作品のイメージを形にすることに

      全力を注ぐのみである。

      その行為がいつも楽しいという。

      いかに技術上の困難が伴おうとも…

       

      いつも頭で、理屈でなんでも考えようとする自分の愚かさが、

      美しく楽しい芸術作品を前に、あっけなく吹き飛ばされた。

       

      魔女子さんのフェルト作品

      いただいた手袋とブローチ

      埠頭公園から海を臨む

      北海製缶側の橋の上から運河の向こうの町を見る。

      べニスのような趣がある

      | - | 11:12 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
      晩秋の街角
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         このところ雨が続き、犬の散歩もままならない。

        やっと晴れたかと思ったら、急にざ〜っと斜めに雨が降り、

        地面をたたきつける。

        この急激な変化が、秋の空の特徴だ。

         

        ついこの間、今年も町の古い建物にからまるツタが紅葉し始めたなぁ

        と思ったら、あっという間に紅色が深くなり、

        風が吹くたびに美しい赤い葉を落としている。

        毎年、この季節に、駆け足で街を歩いて、

        このツタを写真に撮っているのだが、

        今年はすっかり出遅れてしまった。

        それでも、まだ少しは残っているかなと思い、雨の晴れ間を待って、

        犬を連れ、石造りの建物が多い、北のウォール街と呼ばれる

        銀行街へ歩いて行った。

         

        紅葉の盛りは過ぎたが、あるある、まだ赤いツタは

        さらに色を深くして建物にからみついていた。

        いつも言っていることだが、こんなにツタの美しい町は

        日本のどこかにあるだろうか。

        これを見るだけで、小樽に来る価値はあると思っているのだが、

        小樽の人は、これを特別に美しいともなんとも思わないようだ。

        いまだかつて、小樽の住人から、ツタがきれいだという言葉は

        聞いたことがない。

        植物は、寒暖の差が大きいと赤くなるようだが、

        気候からいっても、この町は紅葉の条件を満たしているのかもしれない。

         

        いつも歩いている通りを歩くだけで、こんなに美しい景色を

        味わうことができる。

        犬のマルコがものすごい力で引っ張るので、

        自然と目が下に向いて、石畳の道のほうを見てしまうのが残念だ。

         

        最近ニトリが昔の銀行を美術館にして芸術村と名付けた

        銀行街のあたりを歩いて、運河の方向に出ると、

        シックな小ぶりの石造りの建物に出会う。

        赤いアーチのテントが窓に小屋根を作っていて、

        建物のグレーと赤のコントラストが美しい。

        ここは、昔、石原裕次郎のお父さんが支店長を務めた

        山下汽船の建物だ。

        今は中華料理のレストランになっているが、この店も閉店したのか、

        営業している様子が見えない。

        私は、この建物が好きで、いつもしみじみ眺めている。

        運河を目の前にして、このあたりから

        裏の旧三井銀行のほうへ抜けてみる。

        この細道は、石造りの建物に挟まれ、

        さながらパリのモンマルトルのようだ。

        雨に濡れた赤い木の葉が舞い散る石畳。

        シャンソンの「枯れ葉」が似合う場所。

        気障でもなんでもない、ほんとうに素敵な小樽の一角だ。

         

        この夏の忙しい時期に、芥川龍之介にとりつかれ、

        彼の作品をすべて知るべく、日夜全集を読みふけっている。

        彼のものすごい読書量と執筆。

        35歳で亡くなるまでに、人の何倍もの、いや、何人分もの仕事をした。

        天才という言葉はむやみに使いたくないが、彼の場合には

        この言葉を具現していると思う。

        天才は幸せか?

        こんな素朴な疑問が浮かぶが、「否!」

        彼には、生き急ぐという印象が強いが、その心は、

        あまり幸せではなさそうだ。

        天才にとって幸せとは?

        その人が、自らのライフワークの中で、精いっぱい力を尽くしている

        その時が、彼の幸せといえるのではないかと思えた。

         

        凡人にとって、いや、自分にたとえてみても、困難の中で、

        力を尽くして精いっぱい生きようとしている、そのこと、そのときが

        幸せといえるのかも…

        そんな思いにふけりながら、紅葉の街を歩いた。

         

        それにしても、芥川の街の風景描写は、ほんとうに美しい。

        彼は、「往来」という言葉をよく使う。

        道路のことだ。

        朝、昼、夜の往来に差し込む日の光、陰。それだけをとっても、

        どんな素晴らしい映像もかなわない、深く華麗な美しさがある。

         

        帯状に赤く見えるのがツタ

        石倉が歯科医院になっている

         

         

        この川にサケがのぼる、妙見川

         

         

        裕次郎のお父さんが支店長をしていた汽船会社

        モンマルトルみたいな細道

        旧三井銀行。今はニトリの美術館になっている

         

         

        | - | 07:37 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |
        前世への旅・その2
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          未明からの雨が、ホテルの窓をたたいていた。

          ここは、山形県鶴岡市。

          羽黒山は、駅前からバスで50分ほどのところにある。

          これから知らない山に登るというのに、大丈夫だろうか。

          不安がよぎったが、ここまで来て引き返すわけにはいかない。

          とにかく、ふもとまででも行こう。

          そう思っていると、町の中の空は晴れてきた。

           

          隋神門というこの霊山のふもとの入り口から頂上まで、石段が
          二千何百段もあり、その距離は1,7km、
          一体登れるのだろうか。
          バスで山のふもとに近づくと、小雨がぱらつき、山の上の方には

          黒雲がかかっていた。

          この空模様では、一人で登るのは無理だ。

          急遽予定を変更して、頂上までこのバスでいくことにした。

          山の途中から雨脚が強くなり、車中には、運転手のほかは

          私一人。

          心細さが増した。

          頂上に着くと、運転手さんに

          「ここから一人で山を下りるのは危ないですか?」と聞いた。

          すると、「いや、大丈夫でしょう」との答え。

          ホッと一安心。

           

          ここには、月山、羽黒山、湯殿山の三山の神をまつった

          三神合祭殿がある。

          鳥居を目指して行くと、向こうに厚いかやぶき屋根の

          立派な朱塗りの神社が見えた。

          あたり一帯、雨の中に霧か霞か、雲かわからない

          白い煙のようなものが漂っている,幽玄の世界だ。

          ここは高天原かと思わせられる。

           

          苔むした水溜りの道に沿って、小さな神社がいくつも並んでいる。

          大きな鐘つきのやぐらがあったので、

          そこの下で、この無謀な旅を心配してくれたtakarinn さんに

          「着いたよ〜」と電話した。

          電話を切ったと同時に、水泳の先生から電話が入った。

          彼女には、この旅のことは、何も話していなかった。

          「光子さん、私、今日ようやく時間ができたから、あなたとゆっくり話したいと思って。

          都合はどう?」と。

          「先生、私、今、どこにいると思う? 羽黒山の頂上にいるの」

          というと、「え〜っ、あなた、一人でそこへ行ったの?」

          と言って、彼女は泣きだした。

          「私、涙が止まらない。あなたたちのこと、あっちゃん(私の息子)が

          病気のときも、

          そこの神様にお祈りしたのよ。よく行ってくれたわね。

          下りの坂道のはじめのところに、蜂子神社があるの。

          そこがこの山の神様だから、お礼をいってきて」という。

          「わかりました。先生、

          これから山を下りるんだけど、今、それを言ってくれてよかった。

          山を下りちゃってからではおそいものね」と私。

          そのとき、さーっと空が晴れて、青空が広がった。

           

          それから、1400年以上前にこの山をひらいた崇峻天皇の子、

          蜂子皇子がまつられている蜂子神社へ行ってお礼を言い、

          この山を下り始めた。

          さっきまでの雨はすっかり上がり、参道の山道には

          凛として澄んだ空気がみなぎる。

          周りの高い杉の木や緑が美しい。

          そのとき、また携帯が鳴った。

          男の声で、「いま、山を下っているんだってね。

          途中に茶店があるから、そこで休んでいきなさい。

          私が電話を入れておくから」という。

          水泳の先生が、その山を巡っている山伏の大先輩に、私のことを

          電話で知らせたらしい。

           

           茶店に着くと、女主人が「いま、電話があった方ですね。

          お待ちしていました」という。

          そこの名物、力餅を食べながら、

          このたびのあまりに用意された山下りに、

          心が落ち着き、感謝の思いが込み上げてきた。

          「この山の神様にお世話になったので、今、お礼をしてきました」

          と女主人に伝えると、「みんな苦しいときの神頼みはするけど、

          お礼を忘れる人が多いんですよ。お礼参りは大切ですね」という。

          「そういえば、さっき来たお客さんは、≪今日の天気予報は、

          70%雨だと言っていたけど、晴れたね≫といっていましたよ」と彼女。

           

          それからまたゆっくり石段を踏み、山を下り始めた。

          相当急な階段もあり、これはだれでも行ける所ではない。

          私も、いまこの時だから行けた、と思えた。

          この道を下りながら、温かな思いに包まれ、細胞がすべて

          入れ替わるようなすがすがしい思いがした。

          そう、この山は、生まれ変わりの山、死と再生の山だった。

           

          ふと気づいた。

          はじめは下から登ってくる予定だった。

          それが、雨のため、急遽頂上から下ることに変更した。

          「木漏れ日の山道を下る、白装束の男…」

          これはまさしく前世の自分と同じシチュエーション

          ではないか。

          そしていま、あの時と同じように、木漏れ日が自分を包んでいる…

           

          実に不思議だが、前世の自分と現世の自分が、ぴたりと符合する…

          大いなるものの温かさ、優しさに包まれて、今生を生き抜くために、

          傷ついてきた自分のすべてを回復するようなこの下山…

           

           山の下には、美しい五重の塔や朱塗りの橋、

          そして白い水しぶきを上げて落ちる滝もある。

          もうすぐふもとの出口にある隋神門だ。

           

          今朝、バスに乗り込んだ時の不安はどこへやら、

          思いがけず親しい友達と山歩きをしたような、心地よい達成感を味わった。

           

          気が付くと、予定よりかなり早くふもとに着いたので、

          2つほど早いバスで鶴岡駅に向かった。

           

          今日は夕方、山形の山中の「出羽屋」という山菜料理旅館に泊まる

          予定だ。

          それまでにまだ時間があり、この町の「致道館」という

          江戸時代にできた学問所にもいけそうだ。

          前世の若者が、武家屋敷のようなところで勉強している

          幻影を見た。

          この学問所がその時の映像に近い。

          旅の下調べをしている時、ここの写真を見て、はっとした。

          そこも体験できたら、という思いがあったが、

          最初の山登りの予定では、

          その時間がなかった。ここへ行くなら、次の機会になるだろう

          と思っていた。

          しかし、また不思議にその時間が取れた。

           

          「致道館」。荻生徂徠の学問を学んだというこの庄内藩の学校は

          素晴らしいものだった。建物も昔のアカデミズムを感じさせる

          格調高い造りで、静かに深く心が満たされる場所だ。

          武士の子弟が学んだであろう広い座敷の畳に座ると、

          前世の若い武士の向学心と、人生の目的を探る真摯な思いが

          現世の私の心に届いた。

           

          「ああ、よくぞここまで来たものだ」深い満足の思いが

          あふれてきた。

          信じられないほどの達成感。

          今日1日で、長いこと、固く胸に秘めてきた

          前世の私の人生観と全体像に、ついに到達した。

           

          帰りのバスに乗るため、屋根付きのバス停で待っていたが、

          バスはなかなか来ない。

          息子に今日の不思議な話を知らせようと思い電話をした。

          電話を切ったとたん、ザーッとひょうのような大粒の雨が

          斜めに降ってきた。

          その間3分ぐらい。

          すると、バスが来たので、私は濡れずにバスに乗った。

          とたんに雨がやんだ。

          ほとんど人が乗っていないバスの窓に青空が広がり、

          はっきりとした大きな虹がバスの端から端にかかっていた。

          こんなに近くに迫ってくるリアルな虹は初めてだ。

          まるで、今日のドラマのエンディングを告げるようだ。

           

          「ほうら、見たか。お前の思いは実現したんだよ。

          今生の苦しみは、この雨で洗い流した。これから先は

          明るいものだ。私は今生でのお前の歩みを喜んでいる」

          と、大いなるものが言っているように思えた。

           

          この旅で経験したこと。

          輪廻転生があるならば、人は前世からの人生の目的を

          現世でも持ち続けるものかもしれないと思う。

          私の場合、その目的は、魂を磨くことだ。

          前世の若武者は、修行の者となり、山を歩いて

          考え続け、魂を磨いた。

          そのとき、山伏に幾度も助けられたことだろう。

           

          現世の私は、不肖キリスト者であるが、

          やはり修験の道をいく水泳の先生や

          その人が信じるこの山の神様に助けられている。

          同じ系統の人に助けられる運命にあるようだ。

          どうにかして知りたいと願い続けてきた人生の謎が、

          ようやくここでゆるゆるほどけていくのを感じた。

           

          羽黒山頂上のかすみにけむる風景

           

          蜂子神社

          三神合祭殿

           

           

          信仰の人々が何百年も歩いた山道。前世の私も歩いたかもしれない

          (写真を縦にできないので、横になった)

           

          途中の茶店でみかけた山伏スタイルの人

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           






           

           

           

           

           

           

           

          | - | 07:24 | comments(6) | trackbacks(0) | - | - |
          前世への旅
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            人はどこから来て、どこへ行くのだろう。

            生きることには、なぜこんな苦しみがあるのか。

            人はだれでも、一生のうちに一度はこんなことを

            考えることがあるのではないだろうか。

            かくいう私は、いつも何の苦労もなさそうにみられているかもしれないが、

            じつは、このことを探求するために一生を費やしたといってもいいくらいだ。

             

            今生で苦しみを受けることの理由がわからないときに

            前世があると仮定すると納得がいくことがある。

            そこで、自分の前世を知りたいと思った。

            ある本で、前世を知る方法をみつけ、実行してみた。

            もう20年くらい前のことだ。

            一言でいうと、退行催眠のような方法だ。

             

            夢のような、幻影のような中で見たのは、

            白装束の若い男が、木漏れ日の山道を下ってくるところだった。

            これが、私の前世だ。

            年のころは20代の終わりか30ぐらい。

            いつの時代かわからないが、彼はいくさに明け暮れる武士の生き方に

            疑問を抱いて、武士をやめ、修行の道を選んだ。

            人生の目的とはなにかを探求する彼は、

            今の自分より、ずっとずっと心がきれいな人だ。

            その心のありようが、一瞬にしてわかるのが、この前世体験なのだ。

            また、彼は向学心のある人で、武家屋敷のようなところで、

            学問をしている姿も見た。

             

            さて、現世の私は、クリスチャンとなって、人生の目的を深く知ることに

            心を費やす者である。

            時代と男女の違いはあるが、その生き方、目標が同じであることで、

            この人が自分の前世であることを確認るする思いがした。

             

            今の私は、様々な苦難に会い、たくさんの人に助けられて

            今日まで生きた。

            そこで、今生を振り返り、感謝の思いをかみしめつつ、

            前世の自分が歩いたような山道を歩いてみようと

            思い立ち、旅に出ることにした。

            行く先は山形にある出羽三山の一つ、羽黒山だ。

            あの白装束の男が歩いていたのは、もしかしてここかも

            知れないと思ったからだ。

             

            話は変わるが、ある時から、水泳の先生と知り合いになった。

            彼女は、70代後半の今も、お膳を持って泳ぐ、

            あの日本泳法の大家である。

            この人に私は、人生の危機のとき、何度も助けられた。

            彼女は老年期に入ってから、悩みのある人々を導く先達となり、

            何度も出羽三山を訪れている。

            前世の私もまた、山を歩いて、その時代の修験者に助けられたかもしれない。

            なにか深いご縁を感じた。

             

            出羽三山のうち、月山は前世、羽黒山は現世、

            湯殿山は来世を意味するのだそうだ。

            月山は1人では危険、羽黒山なら観光地でもあるようだからと、

            羽黒山に決めた。

            ここは、生まれ変わりの山と呼ばれ、山へ入るとき

            一旦死んで、修行して山を下りると再び生まれるのだという。

             

            台風が通り過ぎた一瞬ののち、山形の鶴岡にたどり着いた。

            ここから明朝バスで羽黒山に向かう。

            緊張が高まってきた。

              この続きは次回に。

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

            | - | 11:53 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |